メモの魔力 | 前田裕二【まとめ】

メモの魔力

メモの魔力 | 前田裕二【まとめ】

メモの魔力の内容
  1. 具体的なメモの書き方
  2. そんなメモ術の根幹である抽象化の方法 – メモによって世界を知り、アイデアが生まれる。
  3. 夢の見つけ方 – メモによって自分を知り、人生のコンパスを持つ。
  4. 夢の叶え方 – メモによって夢を持ち、熱が生まれる。
  5. メモを習慣へ – その熱は確実に自らを動かし、人を動かし、そして人生を、世界を大きく動かします。

メモには2種類ある

  1. メモを第2の脳、つまり「外付けハードディスク」のように使うことで「記憶」の部分を任せる。
  2. 空いた自分の脳の容量を「創造力を要すること」に目いっぱい使う。

前田さんは②を「知的生産」のためのメモと呼んでいます。

本書はこの「知的生産」のためにメモを使う方法が書かれた本です。

メモによって鍛えられる5つのスキルは以下です。

5つのスキル
  1. アイデアを生み出せるようになる。(知的生産性の向上)
    └ 余分な情報をストックしておくことで、自分の頭をアイデアを生み出すために使う。
  2. 情報を「素通り」しなくなる。(情報獲得の伝導率向上)
    └ 情報を素通りしなくなるので、獲得できる情報の分母が増える。
  3. 相手の「より深い話」を聞き出せる。(傾聴能力の向上)
    └ 相手から1つでも多くの有益な情報を引き出すためのコミュニケーションスキルが身につく。
  4. 話の骨組みがわかるようになる。(構造化能力の向上)
    └ 頭の整理ができ、構造化能力やロジックの力を飛躍的に伸ばすことができる。
  5. 曖昧な感覚や概念を言葉にできるようになる。(言語化能力の向上)
    └ 思考を深める機会をもたらし、言葉を紡ぐ力が引き上げられる。

 忘れてしまうことは重要ではない?

「メモをとらないと忘れてしまうことなんて、そもそも重要じゃない」

という意見もあるかと思います。

しかし、「未来において過去のどの情報が重要になるか」なんてその時になってみないと分かりません。

「いつか重要になるかも!?」と、その時々で引っ掛かったことをメモで拾っておく。

完全に記憶に頼っている人は当然それを思い出せませんし、

「覚えておく」ことに脳のスペースを割いているので、それ相応の機会費用を払うことになります。

そもそも単純作業の繰り返しで、クリエイティブなことに頭を使わない人はメモをとる必要はありません。

アイデアを生み出すためのメモの書き方

アイデアを生み出すためのメモの書き方
メモの書き方
  • ノートは見開きで使う。
  • ファクト → 抽象化 → 転用
  • 「日付」「サマリー」「標語」を書く。
  • 4色ボールペンで「色分け」する。
  • 「記号」を使い分ける。

 ノートは見開きで使う

理由は2つあります。

  1. 書き込むスペースが狭いと、思考が窮屈になる。
  2. 右側を空けることで「埋めなくてはならない」という強制力が働く。

そして画像のように、左ページに横線と縦線を1本ずつ、右ページの真ん中に縦線を1本引いて使います。

この作業が毎回面倒な人はメモの魔力のメモ帳も発売されたので、それを使えば楽チンです。

 左ページには「標語」と「ファクト」を書く

左ページに書くのは「ファクト」、どこかで見聞きした客観的な事実を書きます。

キーワードを書いたらそれを◯で囲み、関連ワードを周りに書いていきます。(マインドマップのように)

次に、左ページの5分の1くらいのところに「ファクト」を一言でまとめた「標語(キャッチコピー)」を書いてグルーピングします。

この「標語をつける力」を持っている人は、アイデアを生む力に長けた人である可能性が高いです。

「日付」「サマリー」を書く

左ページの左上には「日付」を書きます。

いつ書いたのか、という時間情報はあとで振り返った時にとても重要だからです。

左ページの真ん中には、このメモの概要を一言でまとめたもの「サマリー」を書きます。

 右ページには「抽象化」 → 「転用」を書く

右ページを縦線で半分に分けたら、左側には「ファクト」を応用可能な粒度にまで「抽象化」した要素を書きます。(抽象化については後述)

そこから矢印を引っぱって、右側には抽象化した気づきを実際にアクションにつなげるため「転用」した要素を書いていきます。

前田式メモ術のフレームワーク

ファクト → 抽象化 → 転用

の完成です。

ちなみに、このノートの見開きは「脳の構造に沿ったレイアウト」に基づいて構成されています。

  • 左脳 → ファクト
  • 右脳 → クリエイティビティ

また、前田さんの「SHOWROOM」というサービスもこのメモ術から生まれたそうです。

 4色ボールペンで「色分け」する

「黒」「緑」「青」「赤」の4色です。

色分けの主軸は「主観 or 客観」と「重要度」です。

客観 ファクト(客観的事実)
主観 自分が思ったこと(主観的発想)
客観 やや重要なこと・引用・参照
客観 最重要なこと

ペンの使い方1つで発信力が上がったり(緑色)、意思決定力が上がったり(青・赤)、

これが前田式ペンの魔力です。

ちなみにメモの魔力のボールペンも発売中です。

 「記号」を使い分ける

内容 記号 ショートカット
抽象・気づき・学び・主旨
具体・心が動いたこと・感動 まる
仕事タスク
プライベートタスク ほし
箇条書き(大項目)
箇条書き(中項目)
箇条書き(小項目)
要素分解(数字)
要素分解(アルファベット) A ←を◯で囲む

※「ショートカット」はPCやスマホでショートカットに登録している文字。

◎のあとに「具体事象」や「自分の心が動いたがゆえに書き留めておきたいこと」を書きます。(ファクト)

◎が抽象化されると黒く塗りつぶされ◉になります。

◉が転用され、次に起こすべきアクションには★をつけます。

★がついていることで「動かなきゃ」と脳をコントロールするイメージです。

これらをデジタル化し「◎」「◉」「★」で検索した時に、

一発で表示させることができ、「ショートカット」に文字を登録しておくことで検索時間すらも短縮することができます。

「抽象化」は発明の母

前田さんは「抽象化」こそが、このメモ術の根幹であり、最大の武器だと言っています。

「抽象化する」の具体例は以下です。

  • ファクト:立ち読みOKにした方が本は売れる。 → 抽象化:すでに知っているものに人はお金を払う。
  • ファクト:ライブはチケット代ではなくグッズ収益で黒字化している。 → 抽象化:思い出と紐付けると人はお金を払う。

 抽象化には3つの型がある

  1. What型…現象を言語化する。
  2. How型…特徴を抽出する。
  3. Why型…抽象化して物事の本質を知る。

知的創造において大事なのは「How型」と「Why型」で、特に「Why型」が大きな価値を生み出すことが多いです。

How型

一見まったく関係ないような遠いところにある具体現象の要素を抽出して、別の具体に当てはめることができます。

これを覚えると世界中にアイデアの種が転がっていることに気づきます。

何か特徴が気になることがあれば、その特徴をメモしておく癖をつけましょう。

Why型

知的生産活動において欠かせない最重要思考プロセスです。

転用には不確実性がつきものなので、すべてに当てはまるものなどありませんが

アイデアをゼロベースで考えるより、確実に挑戦の成功率は上がります。

以下の4つには必ず「なぜ?」を向ける癖をつけましょう。

4つのWhy
  1. 世の中でヒットしているもの
  2. 自分の琴線に触れるもの
  3. 顧客からの要望
  4. 社内で起きている問題や課題

What型

What型の抽象化で鍛えられるのは「言語化能力」です。

そもそもメモをとるということは、あらゆる現象や感情を紙の上で言葉にするということです。

前田式メモにおいては特に「標語」や「サマリー」で重宝するでしょう。

 抽象化を極めて「カルピスの原液」を作る

抽象化はインプットの時にも武器になります。

例えば本を読む時、

具体ではなく、抽象(構造)を読むことで速く読むことができます。

抽象化にはある種のトレーニングが必要です。

アウトプットの時も同様で

例えば本をこうやって要約する時、

具体的に、長く、書く方がカンタンです。(僕の本まとめ記事はいつも長いです。)

パスカルという有名な哲学者が友人に送った手紙にまつわる、こんなエピソードがあります。

「今日は時間がなくて、手紙が長くなってしまいました。」

つまり、時間がなくて十分な抽象化ができず、ダラダラと長い手紙になってしまった、ということです。

抽象化を極めることによって「カルピスの原液」を作ることができます。

その原液を別の何かで薄めることで違う飲み物になるように、

あとからいくらでも他の具体に転用して味わうことができます。

「転用するために抽象化する」と目的を意識することが大切です。

そして、あらゆる原液の前を素通りしないためにメモをとるのです。

しかし、これには落とし穴があります。

具体的に転用すべき課題(起業する・仕事で企画を出すなど)がないと、ただの「抽象化ゲーム」で終わってしまうということです。

つまり抽象化の前に、まずはこの「転用すべき課題の明確化」に向き合わなければなりません。

ちなみにこの「抽象化ゲーム」

実際にSHOWROOMの社内で行われているそうです。

転用すべき課題がなくとも抽象化に慣れておくことも大事です。

夢の見つけ方

第1章は「具体的なメモの書き方」

第2章は「メモ術の根幹である抽象化の方法」について書かれていました。

第3章は、夢を見つけるために「自分を知る方法」について書かれています。

「自分は何がやりたいのか」が分かっていなければ、

メモをとっても、抽象化を覚えても意味がありません。

まるで特に倒したい敵もいないのに剣を持って佇んでいるようなものです。

本書にはそんな「自分は何がやりたいのか」を自分で知るための方法がいくつか紹介されています。

自分を知る方法
  • 自己分析1000問に答える。(本書の巻末付録)
  • やりたいことリストを作る。
  • ライフチャートを書く。

(本書が手元にないとできないこともあるので)ここでは割愛しますが、ぜひ本書を手にとって試してみてください!

 夢が見つからない場合

本書には、ここまでやっても夢が見つからない場合についても触れられています。(前田さん優しい)

まずは「ここまでやっても、やりたいことが見つからない自分」を認知することが重要です。

まだ自分がやりたいと思える何かに出会えていないということなので

「行動し、1つでも多くの経験に触れ、1人でも多くの人と会って話を聞く」ことです。

夢の叶え方

第4章には「夢を叶える方法」がいくつか書かれていますが、

その中から面白いと思ったものをピックアップしていきます。

 夢を紙に書くと現実になる

よく聞きますよね、これ。

「目指せ!武道館」みたいな。

これに対する前田さんの経験に基づく「間違いない理由」は以下です。

2つの理由
  1. マインドシェアの問題
  2. 言霊の力

マインドシェアの問題

まず紙に書いた時点で、脳が受けるインパクトは思いのほか大きく、潜在意識に刷り込まれる度合いが高くなります。

夢へのマインドシェアが高くなるほど

必要なことをブレイクダウンして考えたり、

夢との距離を測ってその差分を埋めるための努力方法を見極めたり、

妨げになりそうな障害や課題をつぶしていこう、という問題意識も芽生えます。

それに、そもそも具体的に「言葉」にできない、フワフワした願いを持っているだけでは夢は自分から近づいてきません。

「流れ星に願いを唱えると夢が叶う」

も同じ原理で、

「流れ星を見た瞬間に言葉が出てくるくらい強烈な夢への想いを持っているから叶う」

というわけです。

想いは強ければ強いほど、行動への反映率が上がります。

行動こそが夢が手に届く場所に僕らを連れて行ってくれます。

この「ずっと願ってる状態」を作り出すために、紙に書くのです。

デジタルメモでも構いませんが、情報量が多く右脳でも記憶しやすいアナログ文字がオススメです。

また「デジタルメモはブラックホールの彼方に消えてしまう。」と言うように、

生活動線上で何度も見返すきっかけになりえません。(スマホの待ち受けくらい?)

まだ読んでない本を「積ん読」なんて言いますが、これが電子書籍の場合なら存在自体を忘れてしまいますよね?

要は、「目に見える場所にある」ということが大切です。

言霊の力

言葉によって誰かの意識が変わり、それが何らかの形で自分にポジティブに跳ね返ってくる、というものです。

言葉にする(SNSで発信する)ことによって、サポートが得られる確率が上がる。

仲間や共感者・サポーターが、自分が向かいたいと思っている正しい方向に導いてくれる可能性が高くなるということです。

言霊の力を考えると、ネガティブなことはなるべく言わないようにしよう、と思えるようにもなります。

 モチベーションの2種型を知る

重要度を決める尺度 行動タイプ
トップダウン コンパス(価値観の軸)との関連度 目標、ゴールから逆算する 西野亮廣・前田裕二
ボトムアップ ワクワクするかどうか 目の前の面白そうなことに飛びつく 堀江貴文・箕輪厚介

夢のモチベーションには型があり、2タイプに分けられます。

「お金持ちになることが最重要!」というように揺るぎない軸を持っている人は「トップダウン型」です。

その夢から逆算して行動して行けばいい。

対して、目の前のワクワクすることから順に飛びついて行けばいいのが「ボトムアップ型」の人です。

その中間の「ハイブリッド型」もあります。

西野亮廣さんはもともとボトムアップ型の性格ですが、「ディズニーを倒す!」という大きな夢のためにトップダウン型に寄りつつあります。

逆に、前田さんはもともとトップダウン型の性格でしたが、ボトムアップ型の友人が多いので良い意味で引きずり込まれていると言います。

また、現代は「ボトムアップ型」の方が結果として多くの共感を集め、仲間を増やし、夢を叶えやすくなりつつあります。

お金よりも、お金に変換される前の「価値」に重要性が置かれる価値経済が台頭しつつあるからです。

 SMARTという「ものさし」を使う

S Specific 具体的である
M Measurable 測定可能である
A Achievable 達成可能である
R Related 関連性がある
T Time 時間の制約がある

夢には叶いやすいものと、叶いにくいものがあり、

そのゴール設定において大切なチェック機構として「SMART」という有名なフレームワークがあります。

このものさしを夢に応用するなら「S」と「M」と「T」が大切です。

具体的で、測定可能で、時間の制約をちゃんと設ける。

これによって夢が叶う確率が大幅に上がります。

 「自分」とアポをとる

日々のタスク = 緊急

将来の夢 = 重要

とすると、多くの人が「緊急」なことに追われてしまい「重要」なことが疎かになっているはずです。

そんな時は「自分」とアポをとることです。

前田さんは1日18時間(!)は仕事の予定が詰まっているそうですが、

寝る前の1時間だけは一切の連絡を遮断して「自分とのアポ」の時間に充てているそうです。

前田さんはそれを日々のルーティン化していますが、難しい人は月1のルーティンにしても良いですね。

メモを習慣へ

前田さんにとって「メモをとる」ことは、もはや歯を磨くようなもの、いや息を吸って吐き出すようなものだそうです。

この「努力」を「習慣」にするためのコツが以下です。

メモ習慣化のコツ
  1. とにかく書く!
  2. 持ってるだけでテンションが上がる「メモ帳」や「ペン」を買う。
  3. 小さな成功体験を積む。(メモを褒められる、驚かれるなど)

 シャワー中にアイデアが浮かぶ理由

メモが習慣化できたら、今度は本来の目的であるアイデア創出の習慣化です。

アイデアを生み出す上で重要なのは「インプット」と思われがちですが、

前田さんいわく、「インプット0環境」に身を置くことが重要だそうです。

つまり脳内のインプットとアウトプットの比率がアウトプットに寄った時にこそアイデアが生まれると。

例えば(スマホを持たずに、いつもの)お風呂に入った時、

浴室内にインプットするような情報はほとんどなく、脳は100%アウトプットするしかありません。

この見解はとても面白いと思いました。

僕は昔から「トイレ」でよくアイデアが浮かぶのですが、

「身体がアウトプットする影響で、脳もアウトプットする説」を唱えていました。笑

それも一理あると信じていますが。

 「メモ魔」になってメモの魔力を手に入れる

前田さんが本書を執筆するにあたって

「なぜ自分はこんなにもメモ魔になれたのか(ノウハウを蓄積できたのか)」

冷静に客観視したところ、行き着いた答えは「熱」だそうです。

「海外を旅したい」

「起業したい」

内から湧き出てくる強い願望です。

「やりたいことが見つからない」人は逆に「やりたくないこと」に目を向けてみるのも良いかもしれません。

「満員電車に乗りたくない」

「上司がいない環境で働きたい」

それも強い願望、熱ですよね。

そして、熱は高温側から低温側へ伝わります。

熱(夢)は高い方が人に伝わり、共感者を巻き込んで、より叶いやすくなります。

最後に本書の「サマリー」とも言えるパンチラインで締めたいと思います。

メモによって世界を知り、アイデアが生まれる。
メモによって自分を知り、人生のコンパスを持つ。
メモによって夢を持ち、熱が生まれる。
その熱は確実に自らを動かし、人を動かし、そして人生を、世界を大きく動かします。

さぁメモ魔になって、石原さとみちゃんと付き合いましょう!(←台無し)